対処すべき課題

当社グループの対処すべき課題について記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、2019年3月31日現在において当社グループが判断したものであります。

経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当社は、わが国金融マーケットの中枢的機能・役割を担う東京、大阪、名古屋などの証券取引所ビルのオーナー企業として、昭和22年(1947年)に創立されました。当社創業の地である日本橋兜町・茅場町は、「証券の街」として発展してきましたが、情報通信の発達等社会環境が変化するなか、株券売買立会場の閉鎖や証券会社の移転が進むなどにより、その姿を大きく変えてきております。また、地域等から再活性化への期待が高まっているとともに、社会環境やマーケットの変化に対応した街の再構築が求められております。

今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、政策の効果等により緩やかな回復基調が継続していくことが見込まれますが、本年10月に予定されている消費税率引き上げ、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動等による国内外の影響には注意が必要であります。不動産業界におきましては、賃貸オフィス市場については、好調な企業業績や働き方の多様化に伴うオフィス需要の拡大を背景に空室率の低下傾向は継続し、賃料水準の緩やかな上昇が期待されます。また、不動産投資市場については、不動産取引が活発な傾向が当面続き、不動産価格は高止まりの状況が継続し、底堅く推移すると見込まれます。

このような事業環境のもと、当社は日本橋兜町・茅場町再開発を起点に「街づくりに貢献する会社」という次なるステージに歩みを進め、社会的なプレゼンスを高めるとともに、新たな成長の基盤と企業価値の増大という成果の獲得を目指しております。

さらには、日本橋兜町・茅場町再開発により得られるノウハウを他の市街地の再活性化に展開いたします。これらの実現に向けて、2014年度から2023年度までを計画期間とする中長期経営計画over the “NEXT DECADE” に取り組んでおり、本計画期間のうち、2017年度から2019年度を中長期経営計画のフェーズⅡとして、3年間に係る経営計画を遂行しております。

当社グループはフェーズⅡにおきまして、中長期経営計画の最終ステージに向けて、日本橋兜町・茅場町再開発プロジェクトの着実な推進、ビル賃貸事業のブラッシュアップなどにより、持続的な企業価値向上を目指してまいります。さらには、2023年度の連結営業利益目標100億円台の達成に向けた事業成長基盤を構築する3年間と位置付けており、以下の重点戦略に取り組んでまいります。

日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクト

第1期プロジェクトである(仮称)日本橋兜町7地区開発計画、(仮称)日本橋茅場町1-6地区開発計画を本格的に始動させ、着実に推進いたします。当連結会計年度におきましては、東京都が主導する「国際金融都市・東京」構想の一翼を担うべく、日本橋兜町・茅場町における新金融拠点「Fin GATE」シリーズの展開等を通じて、Fintech企業、資産運用会社およびスタートアップ企業等の成長をサポートすることにより、資産運用を中心とした金融ベンチャー企業等の発展支援に努めております。

ビル賃貸事業のブラッシュアップ

賃貸事業資産の入替えおよび積上げ、収益性の向上策を推進し、再開発の足腰となる収益基盤をより強固なものといたします。当連結会計年度においては、賃貸事業資産の積上げによる収益拡大を目的として「ホテルエミシア札幌」(北海道札幌市)および「栄サンシティービル」(愛知県名古屋市)等を取得するとともに、保有資産の賃料増額改定に積極的に取り組むことにより、安定収益基盤の構築に向けて推進いたしました。

不動産ソリューションビジネスの拡大・多角化

平和不動産リート投資法人のスポンサーとして、資産規模の拡大と質の向上をサポートするなど、フィービジネスによる収益の安定的拡大を図ります。また、収益物件の開発、リースアップ、リニューアル工事などを行い、価値を最大化した上で売却するなどの不動産ソリューションビジネスを展開し、収益獲得機会の多角化を目指します。当連結会計年度においては、新宿フロントタワー(東京都新宿区)持分の一部、イトーピア日本橋SAビル(東京都中央区)および新宿フジビル2(東京都新宿区)を売却することにより収益を獲得いたしました。

事業戦略遂行の体制強化、安定的な株主還元の実施

・体制の強化と財務規律の維持

経営効率に配慮しつつ、重点戦略遂行に適した組織体制を構築するとともに、財務体質の強化を図ります。さらに、コーポレート・ガバナンスの強化、投資家との対話、CSRの推進、人材育成、働き方改革など各ステークホルダーへの期待に応えていく取組みを強化する期間といたします。当連結会計年度においては、コーポレート・ガバナンスの更なる強化のため、当社取締役会の任意の諮問機関である指名委員会および報酬委員会につきまして、規則改訂によりそれぞれの委員長を社外取締役が務めることといたしました。

・資本政策、配当政策

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、株主資本利益率(ROE)を高めることを目指します。また、D/Eレシオを財務規律の指標と位置付け、適切な水準を維持することを基本方針といたします。
株主への還元につきましては配当を中心とし、安定的に株主還元を実施いたします。そのため、企業価値を増大させるために必要となる内部留保の重要性を考慮しつつ、中長期的な連結配当性向目標を30%程度といたします。当連結会計年度におきましては、120万株、25億97百万円の自己株式取得を実施し、1株当たり年間配当金については、前連結会計年度に比べ11円増配となる48円といたしました。

当社グループは、これからも「街づくりに貢献する会社」として、社会的責任を積極的に果たすべく、長期的かつ持続的な企業価値の増大に努めてまいります。

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