基本的な考え方
平和不動産は、企業理念に基づく持続的社会の実現に向け、一人ひとりが社会の一員として、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に沿った活動を通じ、社会課題の解決に貢献していきます。
サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)
日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクト
当社グループは「街づくりに貢献する会社」として、環境・社会課題の解決や各ステークホルダーとの双方向のコミュニケーションを通じて満足度を高めることにより、サステナブルな社会の実現に貢献するとともに企業価値の向上を図ります。
再開発事業においては、様々なステークホルダーと連携をしながら、地域社会への貢献・防災対応力向上・環境負荷低減等を推進してまいります。特に兜町においては、明治以来、「コト始めの街」「投資の街」「証券の街」としての地歴を有し、時代時代のイノベーションが起こり、投資家が集い、さまざまな情報が交流する舞台となってきました。こうした歴史的な背景などを踏まえ、「人が集い、投資と成長が生まれる街づくり」を街づくりコンセプトとして掲げ、兜町の持つポテンシャルと周辺の街の機能との融和による、「兜町らしさ」の再構築を目指しています。
「国際金融都市・東京」構想への貢献
日本橋兜町・茅場町地区は3つのコンセプトで証券・金融に係る機能(金融関連機能)の整備を行政に提案しています。東京都が推進する「国際金融都市・東京」構想において、東京国際金融拠点の形成に向け、段階的な開発を通じ金融関連機能導入を図ることで、将来的に地区全体で「国際金融都市・東京」構想の一翼を担っていきます。
KABUTO ONE
KABUTO ONEは「国際金融都市・東京」構想の一翼を担う機能を導入し、金融関連の情報発信や人材育成、投資家と企業の対話・交流促進を図ることで「国際金融都市・東京」構想の実現に寄与するとともに地域全体の更なる発展、魅力の向上に貢献していきます。
永代通りと平成通りの交差点に面するアトリウムは、高さ約14m、3層吹き抜けガラス張りの開放的空間を最大限活かし、地域のゲートとして金融拠点を象徴し、かつ日本の金融資本市場の“顔”として、視覚的かつ空間的にマーケットの活気や動向を感じられる世界最大規模のデジタルサイネージ「The HEART」を設置。
低層部(1階、地下1階)は主に飲食店舗を導入することで路面店舗化による連続的な賑わいを創出し、中層部(地上3・4階)は投資家と企業の対話交流拠点となるカンファレンス、ブックラウンジを導入し、地域で滞在できる空間の整備を通して賑わいの継続につなげていきます。
ビル名称コンセプト
江戸期より日本経済の中心として栄え、世界有数の経済圏へ成長した日本経済のまさに心臓として躍動し続ける兜町。
「KABUTO ONE」という名称には、“これまでも、これからも、兜町が日本経済において不変の始まりの地=基点であり続ける”という想いを託しています。
計画概要
所在地 | 東京都中央区日本橋兜町7番1号(住居表示) |
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交通 | 東京メトロ東西線・日比谷線「茅場町」駅直結 |
主要用途 | 事務所、店舗、集会場、貸会議室、駐車場 |
階数 | 地上15階、地下2階、搭屋2階 |
構造 | 地上S造、地下SRC造(一部S造) 中間層免震構造 |
延床面積 | 約39,208m2(約11,860坪) |
事業者 | 平和不動産株式会社、山種不動産株式会社、 ちばぎん証券株式会社 |
設計監理(意匠・設備) 設計監理(構造) |
株式会社三菱地所設計 株式会社大林組 |
施工 | 株式会社大林組 |
The HEART
「The HEART」は、「KABUTO ONE」内アトリウムに設置された世界最大規模のデジタルサイネージです。
デザインは金融・経済の街、日本橋兜町の「心臓」をイメージ。新たな資本市場の顔として地域を象徴する存在になる期待を込めて整備しました。
国際資産運用センター推進機構(JIAM)
2016年10月に資産運用業の国際競争力強化への寄与のため国際資産運用センター推進機構(JIAM)を設立いたしました。JIAMには当社の他、日本証券業協会、投資信託協会、日本投資顧問業協会、株式会社日本取引所グループが参画しています。東京都主催の「国際金融都市・東京のあり方懇談会」に参加するなど、 海外資産運用業誘致のプロモーション活動等を展開しております。
“FinGATE”ブランドの展開
東京都が推進する「国際金融都市・東京」構想の実現に寄与すべく、日本橋兜町・茅場町地区の再活性化を通じて、Fintech企業をはじめとするスタートアップ企業の成長への貢献に努めてまいります。日本橋兜町・茅場町地区の新金融拠点「FinGATE」シリーズとして、5つのオフィスを開設しております。
K5
「K5」は小規模ながらも宿泊(ホテル)、飲食(レストラン、バー、コーヒーショップ)等複数の機能を有するマイクロ・コンプレックスです。この建物は、大正12年(1923年)に竣工し、後に当社が取得しました。1980年代以降は鋼板パネルで覆われていましたが、調査を進めていく中で、この建物の設計者が銀行建築の第一人者であった西村好時氏であること、新築時の事業主は第一銀行で、渋沢栄一翁により明治6年(1873年)に創設された日本初の銀行(第一国立銀行)の三代目建物の分館として建築されたことが判明しました。
当社はこの建物の当時の姿をもう一度表し、魅力的に活用することこそが、ビルの不動産的価値の向上だけでなく、地域の価値の向上に繋げることになるとの思いから、建物の外装リニューアルを含む改修工事を実施し、「K5」として再生させました。「日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクト」の賑わいづくりとしての第1弾となるプロジェクトです。
多様性のある街づくり
2020年2⽉に開業したK5以降、個性あふれる飲⾷店舗の誘致を進め、街の雰囲気をアップデートしております。2022年12⽉の『BANK』と『景⾊』の出店により、当社が街づくりにおいて戦略的に誘致を進めた商業施設は合計20店舗です。戦略的に誘致を進めた商業施設の⽉間来客数は、約1 万⼈(2021年4⽉時点)から約4万⼈(2023年3⽉時点)へ拡⼤しました。
地方拠点での取り組み
大阪北浜における賑わいの創出
北浜テラスの設置
北浜一丁目平和ビルおよび平和不動産北浜ビルに川床「北浜テラス」を設置し、地域の賑わい創出に貢献しております。
大阪証券取引所ビルアトリウムにおける賑わいの創出
北浜の活性化活動の一環として、大阪国際女子マラソンのパブリックビューイング、『大阪クラシック』の大阪フィルハーモニー交響楽団による演奏会、大阪取引所主催の「夏休み親子経済教室in北浜」などのイベントを開催しております。
名古屋栄における賑わいの創出
兜町(東京)、北浜(大阪)と並ぶ名古屋の証券の街として知られる栄、ここでは証券取引所ビルだけではなく、それに連なるビルを建て替えるという連鎖型開発を行いました。
札幌・福岡におけるまちづくりへの取り組み
札幌における取り組み
当社は札幌エリアにおいて、道銀ビルディング、新大通ビルディング、札幌駅前合同ビル等を保有し、事業を展開しております。
札幌駅前合同ビルが所在する北4西3街区においては街区の一体的な再編に向け、街区内地権者等で構成する まちづくり検討会が設置されており、当社も検討会へ参加しております。
福岡(天神)における取り組み
当社は福岡(天神)エリアにおいて、福岡証券ビル、福岡平和ビル、天神平和ビルを保有し、事業を展開しております。
一体的な更新期を控え、大きな転換期を迎えた天神明治通り地区約17haの地権者で組織された天神明治通り街づくり協議会が設置されており、当社も協議会へ参加しております。
企業としての取り組み
地域貢献活動
山王祭への参加
江戸の三大祭りの一つである「山王祭」に参加し、地元町会と連携して、日本橋兜町・茅場町での神輿渡御を行っています。近隣企業の方々にも大勢ご参加いただくことで、日本橋兜町・茅場町の活性化につながっています。地域で開催されるイベントに積極的に参加することで、地域住民の皆さまとの交流を深めていきます。
日本橋兜町 町内清掃活動
当社は地元町会・周辺企業の皆様と協力しながら、日本橋兜町周辺の清掃活動を実施しています。
中央区への街路樹寄贈(日本橋茅場町)
当社は中央区が平成29年度事業として推進しておりました、東京都中央区日本橋茅場町一丁目9番地先~茅場町二丁目4番地先 修景整備・街路樹新設事業に対して、本件事業区間の街路樹(ハナミズキ20本)を寄贈いたしました。
「渋沢栄一翁ゆかりの赤石(佐渡赤石)」の設置および展示
赤石(佐渡赤石)は、日本資本主義の父と言われる渋沢栄一翁が、明治21年(1888年)に兜町邸宅(現日証館所在地)を建立した際に、日本経済の発展を祈念した縁起石として当地に設置されました。2017年に当社創立70周年記念事業の一環として、渋沢栄一翁の遺志を受け継ぐべく、本赤石を譲り受け、110年ぶりに日本橋兜町において設置することとなり、現在はKABUTO ONEのアトリウム内にて展示しております。
地域の情報発信
CAFE SALVADOR BUSINESS SALON
当社は、日本橋兜町・茅場町再開発の街づくりに向けた新たな情報発信拠点となることを目指しつつ、地域の街の活性化・賑わいに寄与することを目的に、東京証券会館1 階にて「CAFE SALVADOR BUSINESS SALON」(カフェ サルバドル ビジネスサロン)を運営しております。
兜LIVE!
日本橋兜町・茅場町のコミュニティサイト「兜 LIVE!」(URL:https://kabuto-live.com/) を開設、運営しています。
このサイトを通して、金融街として発展してきた日本橋兜町・茅場町に根づく文化や街で開催されるイベントなどの情報発信をするなど、地域活性化に貢献しています。「兜LIVE!」では、街の賑わい創出に貢献し、資産形成をはじめとした多様な学びや、ビジネスマッチングなどのイベント情報を発信していきます。
東京人「兜町・茅場町を楽しむ本」の発刊
兜町・茅場町エリアの歴史、魅力を広く発信することや、地元の方が“伝えたい・遺したい”と望まれる情報、国際金融都市東京の一翼を担うエリアであることを掲載すること等を目的として東京人「兜町・茅場町を楽しむ本」を発刊いたしました。
社会貢献活動支援
新型コロナウイルス感染症の対応にあたる医療従事者・医療現場への支援
当社は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、当社役職員の在宅勤務の実施、ウェブ会議システム等の活用、社内手続きの電子化等を進めながら、テナントや地域の皆様の健康と安心のため、ビル管理等においても感染拡大防止への取り組みを継続して実施しています。
世界的に猛威をふるう新型コロナウイルス感染症の対応にあたる医療従事者・医療現場への支援のため、当社は、2021年2月に公益社団法人日本医師会に1,000万円の寄付を行いました。
従業員の社会貢献活動支援
当社は、従業員の社会貢献活動を支援する制度を整えています。具体的には、特別休暇としてボランティア休暇を設定し、従業員はボランティア活動などを目的に自身の年休を積み立てて長期休暇を取得することが可能です。