SPECIAL私たちがつくるワクワク

PROJECT STORY KABUTO ONE

歴史ある日本橋・兜町に新たな賑わいを。 平和不動産がカタチにしたワクワクとは?

日本橋・兜町 イメージ
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日本経済の始まりの地、兜町。渋沢栄一が日本初の銀行・第一国立銀行を興した明治期を経て、
戦後は証券取引所を中心に金融街として栄えた街であり、連日2,000人を超える人々が集う商いの交差点でもあった。
しかし、1999年に株券の電子化やインターネット取引によって立会場が閉鎖されたことをきっかけに、街の様相は一変。
かつての賑わいを取り戻すべく、2011年に再活性化プロジェクトが始動した。
その象徴となるランドマークが、平和不動産が手がけたKABUTO ONEだ。
一つのビルづくりを超えた、街づくりの担い手として。プロジェクトの軌跡と担当者の想いを辿る。

PROJECT OUTLINE

KABUTO ONE

2021年開業。金融街・兜町の歴史とブランドを継承しつつ、次世代の金融プレーヤーや多様な人々が交差する街の起点となる場をつくるべく、開発からリーシング、運営まで平和不動産が一貫して手がける。1階アトリウムには世界最大級のキューブ型大型LEDディスプレイ「The HEART」を設置し、「Red Dot Design Award」をはじめとする複数のデザイン賞を受賞。オフィスと商業施設の運用を一体で管理し、フードダイニング「KABEAT」や「Book Lounge Kable」を中心に賑わいを創出。地域を巻き込んだイベント開催も実施し、街の価値向上を支えている。

PROJECT イメージ
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PHASE01

開発DEVELOPMENT

2010年入社 / 開発推進二部

澤永 尚統

工学部卒

歴史を未来に継承し、地域の課題も解決する。 そのどちらも叶えるプランを練り上げ、突き進む。 歴史を未来に継承し、 地域の課題も解決する。 そのどちらも叶えるプランを 練り上げ、突き進む。

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目指す街のかたちを決めることからスタートした。

開発担当は、プロジェクト全体のミッション策定から構想設計、関係各所との協議、プロジェクト推進など、全体を取りまとめるディレクターのような役割を担っています。その中でも足場固めとして非常に重要なのが、最終的なゴールを決めること。今回は兜町という街そのものの再活性化プロジェクトのため、目指す街のかたちを関係各所と模索していくところから着手しました。地域の方々や地権者と話をする中で見えてきたのは大きく二つ。日本経済を支えてきた兜町の地歴を継承したいという想いと、さまざまな人が行き交う場所としての賑わいを取り戻したいという想い。そこで、兜町の金融ブランドを継承しながら新たな金融プレーヤーが活躍できる場を創出し、地域の賑わいにも貢献できる街を目指してKABUTO ONEの構想を練っていきました。さらに、再開発をするからには長年の課題であった地域の防災性向上も叶えるべく、人々が安心して生活できる街としての機能を持たせることも目的の一つにしました。

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開業後の街の様子を常にイメージし、プロジェクトを進行。

ゴールを決めた後は、地権者との調整、行政協議、設計・施工、テナント誘致、運営準備などを段階的に進めていきました。構想を固めていく中で、2018年に「東京圏国家戦略特区」における新規の都市再生プロジェクトとして内閣総理大臣認定を受けたこともあり、改めて気が引き締まりましたね。私が主に担当したのは、設計会社・施工会社との調整やKABUTO ONE開業に向けた準備。どんなに完璧な設計を目指して検証を重ねたとしても、現場に入ると予想外のことが起きたり関係各所との調整が難航したりと一筋縄にはいきません。ここまで大きなプロジェクトは私自身初めてでしたし、平和不動産としてもほぼ前例がない規模感だったため、そうした壁にぶち当たるたびに手探りで突破していきました。どんなことが起きても最終的にクリアしていけたのは、最初に打ち立てたミッションを全員が共有し、開業後の街の様子を常にイメージしながら挑んだからこそだと思います。その上で、社内のプロジェクトメンバーや協力会社の担当者と密にコミュニケーションをとり進めていきました。おかげでかなり距離感が縮まり、今でも社内外の協力者とは飲みにいくほどの仲になりましたね。

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これまでの兜町らしさを紡ぐ場として、これからの兜町を体現する場として。

設計や施工において特に力を入れたのは、兜町らしさを建物にどう表現するか。そこで、金融街としての歴史や文化を感じられるモチーフを随所に散りばめました。その代表例が、アトリウムに設置された世界最大級のキューブ型LEDディスプレイ「The HEART」。経済の動きを心臓の鼓動に見立てたアートで、誰もが直感的にマーケットを体感できます。また、1階のフードダイニング「KABEAT(カビート)」の店舗全体を柔らかく照らしているカウンター上部の行燈は、かつて東京証券取引所内で活発に売買を成立させていた「場立ち」をイメージしています。また、地域の防災性向上については中間層免震構造を採用したり、地下接続をしてバリアフリー導線を確保したりと工夫を凝らした結果、帰宅困難者受入施設に指定されました。こうして10年以上にわたり検証を重ねたKABUTO ONEの竣工時は、街に新しい命が吹き込まれた瞬間として強く記憶に残っています。同時に、ここからが本当の意味でのスタートなのだという気持ちもありました。KABUTO ONEを起点にどのような出会いや創造が生まれるのか。そんな想いでリーシング担当や運営担当と協議を進めていきました。 ※中間層免震構造 建物の中間階に免震層を設け、地震自体を建物に伝わりにくくして地震の揺れを軽減する構造

NEXT PHASE
NEXT PHASE

PHASE02

リーシングLEASING

2010年入社
/ 不動産投資事業部

山根 拓馬

工学研究科修了

“これからの兜町”らしいテナントの誘致。 その視点は決してブラさず、交渉を重ねていく。 “これからの兜町”らしい テナントの誘致。 その視点は決してブラさず、 交渉を重ねていく。

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これまでの兜町ではなく、これからの兜町らしいテナントとは。

リーシングとは、一言で言えば建物にどんなテナントに入っていただくかを検討し、誘致することです。単にスペースを貸し出すだけでなく、テナントの構成やバランスを考慮し、施設、ひいては街全体の価値を高めていく重要な役割を担っています。プロジェクト始動時からメンバーに加わり、KABUTO ONEに必要なテナントとは何か、設計を踏まえてどのような情報をテナント側に共有すべきかなどを開発担当と共に検討していきました。最も重視したのは、未来の兜町らしいテナントを誘致すること、つまり、これまでの兜町ではなく、今後目指していく兜町らしいかどうかという点です。兜町には証券取引所があるため、株式投資に関わるテナントを誘致すれば良いなどという考えではなく、投資・成長を軸としたさまざまなプレーヤーが活躍できる場を創出するというプロジェクト全体の目標を広い意味で捉え、その上で意欲ある方々が成長できる街にするために必要なテナントを誘致していきました。

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街を代表する新築ビルのリーシングという、ほぼ前例のない挑戦。

これほどの大型新築ビルのリーシングは当社としてもあまり前例がなかったため、リーシング方針の策定や新たなルート開拓などは悩みましたね。飛び込み営業も積極的に行いましたが、自分一人でできることには限界があるので、会社全体に協力を仰ぎ、これまで培ってきた当社の知見やネットワークを最大限活用して取組みました。毎日がトライ&エラーの連続でしたが、結果として、これまで長きにわたりお付き合いを続けてきた企業や、さまざまなベンチャー企業の成長を後押しする企業などに入っていただくことが無事に決定しました。後者に関しては、私の前部署の社員が海外のイベントで接点を持ったことがきっかけで紹介を受けたので、人の縁なしにはここまで辿り着けなかっただろうと思います。

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竣工時満室という大きな目標を達成。名だたるテナントが集結。

最終的に、竣工の時点でKABUTO ONEのすべてのフロアが埋まっているという理想の状態を実現することができ、リーシング担当として大きな達成感を覚えました。今後の兜町を一緒に盛り上げてくれるであろう心強いテナントの誘致が成功し、とても安心したのを覚えています。また、街を代表するような新築ビルのリーシングを手がけたことは、私にとっても大きな自信となりましたし、どんなに前例が少ないプロジェクトだとしても、普段から大切にしている「まずはやってみる」「期待に応えて予想を裏切る」「スピード感を持って丁寧に」というポリシーがあれば、結果を出せるのだと再確認しました。あとは、先ほど話したように意欲ある方々が成長できる街にしていくことが重要だと考えます。運用担当と連携し、どのような空間を提供すべきか、保ち続けていくべきか議論していきました。

NEXT PHASE
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PHASE03

運用(オフィス)OPERATION

2025年入社 / ビルディング事業部

伊藤 七菜

商学部卒

オフィス運用は、街づくりを進めるための地盤固め。 運用次第で、建物の価値はいかようにも変動していく。 オフィス運用は、 街づくりを進めるための地盤固め。 運用次第で、建物の 価値はいかようにも変動していく。

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運用を高度化し、建物の価値を向上していく。

私が手がけているのは、オフィスの運用担当としてビルの運営体制や管理の仕組みを整える他、賃料改定や空調・防災設備の工事管理など、KABUTO ONEのビルとしての価値を長期的に維持していく役割です。前任者から引き継いだ際に感じた、兜町のランドマークであるビルを任せてもらえることへの高揚感と強い責任感を胸に、日々業務に向き合っています。その中でも大切にしているのは、KABUTO ONEの価値を維持するだけでなく、いかに向上させていけるかという視点。建物は竣工時から年月が経つにつれて古くなっていきますが、だからといって価値が下がっていくわけではありません。運用を高度化すればするほどテナントの方々の満足度が上がり、むしろ価値を高めていくことができる。管理会社によるメンテナンスと、プロパティマネジメント会社との日々のきめ細やかな連携を通じて、設備面だけでなく、対応面でも快適にご利用いただける空間づくりを心がけています。

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共同事業者それぞれの意見を聴き、最適な運用を提案する。

KABUTO ONEは共同事業者三社による共同所有物件のため、運用について何か一つ決定するにしても、三社それぞれの立場や視点を尊重した判断をすることが求められます。だからといって単に相場に基づいた運用では完結しないのも特徴です。一般的なオフィスビルではこうした運用をしているからと安直に考えてしまうと、兜町全体を盛り上げるというミッションから遠ざかってしまいかねない。ビルの運用と、まちづくりの方向性やエリア全体の価値向上を一体で考えながらKABUTO ONEのあるべき運用体制を模索する。そして、導き出した運用方法への合意を得るために、どのような流れで、どのような言葉を用いて説明すべきかとことん検証する。そうした徹底的な前準備のもと、日々の事業者会議に臨んでいます。また、スムーズな会議の進行のためには、日頃から良好な関係性を構築しておくことも大切です。迅速な情報共有をしたり、運用状況を一緒に確認したりと、各社が安心して意思決定に参加できる環境を同じ事業者の立場から整えています。

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オフィス運用と商業施設運用の連携により、街づくりが広がっていく。

KABUTO ONEの運用は、私たちオフィス運用担当と、飲食店・ラウンジといった商業施設の運用担当の協働で成り立っています。例えるなら、働く人や企業の活動拠点を整えることで街づくりの基盤固めを担うのがオフィス運用、その上で人々の交流や賑わいを生み出し、街づくりの浸透を担うのが商業施設運用と言えるかもしれません。私たちが快適な空間や対応をご提供するオフィス運用を発展させることで、テナントの企業の方々や共同事業者との信頼関係につながり、商業施設に足を運んでいただくことができ、街のイベントに協力していただけます。また、飲食店・ラウンジといった商業施設の運用が発展することでオフィスワーカーの方の利便性も高まり、街全体のネットワーク形成に貢献していただけるなど、目指すべき兜町の未来に向けての推進力が高まっていく。こうした相互作用を強めていくことが運用担当の使命だと考えています。また、街づくりの一つの成功事例として確立させることで、培ったノウハウを他の地域でも活かすことができる。街づくりの輪を広げていくことにも寄与するのです。

NEXT PHASE
NEXT PHASE

PHASE04

運用(商業施設)OPERATION

2025年入社 / 地域共創部

和泉 瑠菜

環境情報学部卒

利用者の生の声を拾い集め、兜町に人を呼び込む。 それが、街の賑わい創出にダイレクトにつながっていく。 利用者の生の声を拾い集め、 兜町に人を呼び込む。 それが、街の賑わい創出に ダイレクトにつながっていく。

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商業施設の企画・運用を通して、賑わいと交流を生み出す。

建物の開発、テナントの誘致、オフィス運用、そこに地域共創部の施設運営が加わり、KABUTO ONEを軸に兜町・茅場町エリアの街づくりを推し進めています。地域共創部の役割は、大きく分けて3つあり、施設を安全かつ安定的に稼働させること、商業店舗や施設の売上・利用率を高めて収益を確保・拡大すること、そしてイベントや地域連携を通じて賑わいと交流を創出することです。その中でも私は、飲食店舗「KABEAT」「GARDEN HOUSE COFFEE」や3,000冊以上の蔵書を備える「Book Lounge Kable」の運営管理、大型ビジョン「The Heart」の企画編成を担当しています。日々の業務は、施設利用者やテナントの状況を確認し、運営上の課題を洗い出すことから始めます。その上で、来街者数増加や店舗の売上向上のために、各店舗でどのような施策を行うべきか立案から効果測定まで含めて一気通貫で手がけています。また、より多くの来館者に楽しんでいただけるよう「The Heart」で放映するコンテンツの企画編成を行っています。こうした取り組みを通じて、施設の安定稼働や収益の確保・拡大はもちろん、イベントや地域連携を通じて賑わいと交流を生み出せるよう日々業務に励んでおります。私が入社したのは2025年ですが、本プロジェクト始動時から商業施設運用担当も参画し、開発担当と共に兜町の賑わいを創出する施策を検討してきたと聞いています。この想いを大切に、施設管理にとどまらず、利用者や地域、企業を巻き込みながら、店舗を起点に街全体の価値向上に貢献していきたいです。

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自分の足を動かし、生の声を聞く。良い施策はそこから始まる。

KABUTO ONEの商業施設運用を担当していると、飲食店舗のメニュー、施設の利用方法、イベントの感想など、属性も年代も異なる多様な方の声が日々寄せられます。そうした声に一度に応えるのは難しく、どう反映すべきか、そもそも反映すべきかどうかを一つひとつ検証する必要があります。そんなときに私が必ず行うのは、現場に足を運んで自分の目で確かめることです。運営委託先やスタッフと直接コミュニケーションを取り、現場で何が起きているのかを正しく把握することで、寄せられた声そのものではなく、その背景にある本質的な課題を理解し、適切な改善案を立てることができると思っています。不動産会社として店舗運営に携わる難しさはありますが、現場に近い立場だからこそ得られる気づきや調整のプロセスを経験できたことは、大きな学びになったと感じています。また、単に場所を貸して家賃を受け取るのではなく、「街全体の賑わいにどう貢献するか」を考えながら店舗の収支管理や運営改善に直接関われることは、デベロッパーならではの醍醐味です。自分自身も店舗運営や街づくりの一担い手なのだという実感があり、日々やりがいを感じています。

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多くの方が足を運びたくなる街を目指して。

兜町・茅場町の街づくりが軌道に乗り、KABUTO ONEの飲食店舗に連日多くのオフィスワーカーの方々が集まるようになった一方、カフェタイムの利用や週末の利用が少ないことに問題意識を持っていました。そこで飲食店舗と連携して、親子連れなど地域の方々を対象にしたイベントを企画しました。その結果、開催期間中は一日あたり数百人もの方々にお越しいただき、これを機に、店舗の認知度が上がり週末にご家族で利用される姿が多く見られるようになりました。こうした光景を持続的に生み出していくこと、来街者の方がワクワクできる場を提供し続けること、それが魅力的な街をつくることにつながっていくのだと強く実感しました。だからこそ、外部の人間として地域を盛り上げるのではなく、地域の方々と一緒になって盛り上げていくという姿勢が、街づくりにおいて欠かせない要素だと思います。

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