現在の業務内容について
現在私は地域共創部で、日本橋兜町・茅場町の賑わいをつくるための店舗誘致や、平和不動産の直営施設の収支・運営管理、イベントの企画運営を担当しています。どのように兜町の魅力を高め、それをどのように発信していくかを考えていく仕事なのですが、私が建築から店舗誘致、メディアプロモーションまで関わった「prewood(2025年9月竣工)」は特に印象に残っています。この街に新たなコンテンツがつくれないかという想いから、狭小地を活用した新たな木造建築として、prewoodを建設しました。テナントについても、初期段階から当社の街づくりにおける取り組みを丁寧に説明し、共感してもらうことで入居を決めてもらい、どんな業態にしていくかも含めて一緒に考えて進めました。開業時、たくさんのお客様が並んでいたり、店舗のことをSNSであげている様子を見て、これまでの取り組みが形になり、大きなやりがいにつながりました。
また、2024年からは広報・ブランディング推進室も兼務しています。立ち上がったばかりの部署なので、当社にとって最適な広報活動のあり方は何か、部署の役割を整理するところからスタートしています。現在は、日本橋兜町・茅場町の街づくりを知ってもらったり魅力を感じてもらうだけでなく、この街づくりの取り組みを通じて平和不動産という会社自体を知っていただけるようなメディアリレーションを図っています。この街でつくり上げてきたものを、どのように効果的にメディアに発信していくか。地域共創部と兼務しているからこそ、その意図をしっかりとストーリー立てすることができ、メディアにプレゼンできていると感じています。
一番印象に残っている業務について
私が店舗開発に携わった「CASICA」の誘致が印象に残っています。日本橋兜町・茅場町エリアはK5のような築100年になるビルをリノベーションしたホテルや独自性の高い店舗が続々とオープンし、街の魅力は高まっています。そうした中で、新たな魅力を生み出すためにどのような店舗が必要なのか。街を俯瞰してそうした課題を突き詰めていった結果、一つの方向として物販という業態を導入することで、新たな来街きっかけの創出や新しい客層へのリーチができるのではと考え、リーシングが始まりました。もともとコンビニが入っていたビルの路面店舗の入れ替えとしてふさわしいブランドは何かと考えた中で、タッグを組んだのが国籍や時代を問わずセレクトしたインテリアや食器等を販売する「CASICA」でした。「生きた時間と空間を可視化する」というブランドコンセプトは、兜町の新しい魅力につながるはずだと何度も提案した結果、私たちの街づくりの考え方に共感いただき、これまで他の商業施設などから声がかかっても出店をしていなかったようなのですが、兜町での出店を決断してくださったのです。社内外にも「CASICA」が兜町に店を構える意義を丁寧に説明・発信し、実現することができました。開業後、お店の前に大行列ができる様子を見て本当に嬉しかったことを覚えています。
街づくりにおいてあなたが大切にしている考え方
魅力的な施設や店舗の導入など、さまざまな取り組みによって兜町の魅力が高まった結果、来街者数は嬉しいことに数年前と比較し大幅に増えています。ただ、これを一過性のブームに終わらせないことがとても大切です。前職時代に痛感したのですが、ブランドのブームは本当に刹那的であっという間に入れ替わっていきます。私はこの兜町をブームとして消費されてしまうトレンドタウンではなく、本質的に人を惹きつける魅力を持ち続け、街としてのブランド価値が確立されるところまで引き上げたいと思います。だからこそ、当社はデベロッパーとテナントという関係性にとどまらず、一緒に並走しながらともに街をつくるという姿勢が何よりも重要になります。そのために、私はこの街に関わるあらゆる人を巻き込みながら、一つひとつの出会いや取り組みに対して丁寧にコミュニケーションを重ねることを心がけています。
兜町について思い描く未来とは
私が思い描く兜町の未来は、多様なチャレンジに取り組む多様なクリエイターが集まり、新たなカルチャーや新たな価値観が生まれる街です。そうなれば街は常に活性化して、留まることなく常に発展していくことができると考えるからです。そのためにも、店舗はもちろんのことオフィスやそこで働く人も含めて、新しいことにチャレンジしている人を応援する街でありたいと考えています。だからこそ、私たち平和不動産も常にチャレンジし続けることが必要です。建物をつくり、店舗や企業を誘致することに留まるのではなく、この街全体を俯瞰して考え、「何かおもしろそうな街だな」「何か新しい発見や価値観に出会えるかも」と思ってもらえるように、さまざまな角度からチャレンジすることで多くの方がこの街に足を運ぶきっかけをつくっていきたいと考えています。
学生の皆さんへのメッセージ
転職して感じたのは、とてもアットホームな職場だということ。100名程度と人数が少ないので、すぐに顔と名前が一致しますし、さまざまな部署の方と気軽に意見交換することができます。また、私が所属する地域共創部で手掛けた店舗が開業した際は、いの一番に社員の方々が店舗を利用してくれますし、イベントを開催する際は、他の部署の方々が自分事のように告知を手伝ってくれるのも、当社ならではの良さだと感じています。先輩であっても後輩であっても気さくなコミュニケーションができますので、平和不動産や私たちが手掛ける街に少しでも興味をもってくれる方は、ぜひ気軽に当社の話を聞きにきてください。