動き出した札幌再開発

PROJECT STORY vol.03 Project 札幌再開発

大通西4丁目
南地区市街地再開発

当社が理事長を務める準備組合で都市計画提案を行い、都市計画手続きが開始。
北海道新幹線札幌延伸や2030年の冬季オリンピック招致を見据え、国際水準のハイグレードホテル、ビジネス競争力を強化する高機能オフィス等の整備により、札幌都心部の中でも中心的な場に位置する本地区に相応しい開発の実現を目指す。 世界的な建築家である隈研吾氏をデザイン監修者として招聘予定。

札幌駅南口北
4西3地区市街地再開発

2022年4月に都市計画決定が告示済。
当社も地権者としてプロジェクトに参画し、道都札幌の玄関口のシンボルとして、新たな賑わいと魅力の創出を目指し、2028年度竣工に向けて事業化を目指す。

現地調整 札幌支店 上野諒介

Chapter1 街の価値・魅力を高める開発に

開発エリアだけでなく、札幌の街への貢献も果たす

当社は札幌で大型の再開発を2つ推進しており、その内の1つが当社が中心となって推進している「大通西4南地区市街地再開発計画」です。このプロジェクトは札幌の中心地である大通公園の目の前に位置し、かつ、札幌駅から大通駅を通過してすすきの駅に向かう「駅前通り」にも面する、札幌の街でも非常に重要なロケーションに位置しています。
大通公園に面したビルは高いもので地上10階建てくらいのものが多く、2010年以降に竣工したビルでも地上20階を超えるものはごく少数です。ここに地上34階建てのビルを完成させると聞いたときは、まさに札幌という街のシンボルになれる開発であり、その開発に自身が関われるということに興奮しました。 この開発では、低層に商業施設等のにぎわい機能を用意することは当然として、札幌地下街への空間一体化、大通公園魅力向上の為の貢献、地域への新たなエネルギーネットワーク構築を見据えたDHC(地域冷暖房プラント)整備等、まさしく札幌という街の価値・魅力を高めるプロジェクトです。DHCは、建物単体だけではなく地域内の建物に対し、まとめてエネルギーを供給するシステムです。現状このプロジェクトより南側にはプラントが無く、災害時におけるBCPがエリアとしての課題となっていました。この設備を整備することで、札幌の街の災害対策への強靭化に寄与します。また、建物別の冷暖房システムと比べてCO2の排出も抑えられるので、環境面でも寄与します。大通公園の整備やにぎわい創出といった外側の華やかさだけでなく、実的な地域への貢献も果たします。

札幌でも「街づくりに貢献する会社」に

現在の業務は大まかに、開発推進部(東京)が事業全体の管理、私は現地として、再開発に伴い移転いただくテナントの退去業務、ビル竣工後のリーシングの種まき、地権者等の関係権利者との折衝・意見調整、再開発準備組合事務局員としての業務、札幌他街区の再開発情報収集等を行っています。ですが、杓子定規に業務を分担している訳ではありません。当社にとって札幌での再開発は経験が無くかつ大規模なプロジェクトですので、開発推進部とは密に連携をしながら仕事を進めています。開発推進部の先輩から「社内は俺が調整するから、上野は社外を纏めて」と言われることもしょっちゅうです。1日10本以上電話でやり取りすることも少なくありません。先輩もまだ若手と言われる年代ですが、それぞれ自身の意見を持ち、適宜情報を交換しながら仕事を進められていることにやりがいを感じます。
私は札幌支店に転勤して2年ほどになりますが、札幌の中心地は非常にコンパクトで、外出時に取引先とばったり会うことは日常茶飯事です。東京だと新聞やネットからの表面的な情報しか得られないこともありますが、札幌ではそのプロジェクトのフィクサーや水面下の話を運よく聞けることもあり、現地にいるからこそ知り得る情報も少なく無く、地域に溶け込むことの重要性を感じています。また、不動産デベロッパーあるあるですが、同業でも私と同年代の方で札幌に転勤して奮闘している方が多くいます。プライベートでも付き合いが多く、そこから色々な輪が広がっていく楽しみがあります。
当社は東京の日本橋兜町・茅場町を創業の地として、現在もこのエリアに軸足を置く会社ですが、実は札幌支店を開設してから15年以上が経ちます。日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクトでの経験を活かして、札幌でも地域への貢献、還元ができるようなビルを継続して開発していきたいと思っています。

事業推進 開発推進部 大川凌

Chapter2 地域に求められる開発を

事業推進のコンダクターとして

東京の開発推進部に所属する私は、事業全体の推進・管理を担っています。このプロジェクトが立ち上がって以来、当地区においてどのような開発が望ましいのか、まっさらな状態から地権者の方々、行政、設計会社等と毎週のように意見交換を重ねることで、開発の骨格を作り上げてきました。
今回の開発では、低層部に商業施設、高層部分に高機能オフィスとハイグレードホテルを計画しており、地下には地域冷暖房のエネルギーセンターを整備します。 商業施設では、大通エリアの魅力を更に高めるため、商業店舗による賑わいの表出だけでなく札幌のシンボル「大通公園」の目の前に位置しているという当地区の魅力を活かし、大通公園やテレビ塔など札幌都心を象徴する景色を望むことのできる屋外テラスの他イベントや憩いの場として利用できる屋内アトリウムを計画することにしました。
高層部に整備するハイグレードホテルは、今回のプロジェクトの目玉のひとつと考えています。日本を代表する観光都市の一つである札幌ですが、他都市に比べて国際水準のハイグレードホテルが少ないのが現状です。札幌都心の中心に位置し大通公園を一望できる当地区は、ハイグレードホテル誘致に絶好の立地であると考え、最上層にハイグレードホテルを配置しました。国内外の観光客による宿泊利用だけでなく、例えば札幌市民の方々にも特別な日のレストラン利用等で、様々な方に新たな体験を提供できる施設を作り上げていきたいと考えています。

街の風景を大きく変える開発

今回の開発は、札幌駅目の前の「駅前通り」と「大通公園」が交差する場所に位置する、まさに札幌都心の一等地における大規模再開発事業です。地元からの注目度も高く、同時に街や市民の方々に対して大きな責任のある事業であると感じています。
現在は都市計画決定の告示がなされた段階であり、次のフェーズに向けて計画の詳細検討を深度化しています。建物のデザイン面においては、世界的な建築家である隈研吾氏(株式会社隈研吾建築都市設計事務所)を招聘し、デザイン監修を担当いただくことを決定しました。
建物の竣工までまだまだ道のりは長いですが、地域の発展に貢献し、地元の方々にも長く愛される建物になるよう、妥協せず細かな部分までこだわり抜きながら仕事を進めていきたいと思います。

広報 企画総務部 朝倉みのり

Chapter3 街の方々に愛される開発に

札幌でも「平和不動産」を知ってもらうために

「平和不動産」と聞くと地元の不動産屋さんをイメージする方が多いのではないでしょうか。開発予定地の一部であり現在北海道銀行さんにご入居いただいている「道銀ビル」は、札幌の中では非常に立地の良い場所に位置しているものの、「平和不動産」が保有しているということは知られていないと思います。ビルが建ちました、来てくださいと言っても人が集まるわけではありません。実際に開発ビルが竣工するのは2028年の予定ですが、それまでに札幌の方にも「平和不動産」を知っていただき、当社が主導する開発だからこそ期待できるとか待ち遠しいと思っていただけるような活動が必要です。
札幌での当社の認知度を高めるための施策として、札幌は東京オリンピックでも当初予定していた東京に代わってフルマラソンの開催地になったこともあり、北海道マラソン2022のスポンサーとして特別協賛を行いました。協賛特典としてCM全国放映(UHB/BSフジ)と北海道新聞への広告掲載がありました。初の全国放映のCMということで、コンセプトの設定から出演キャストのオーディション、実際の撮影や音声の収録にも立ち会って制作した渾身の作品です。当社は札幌では特に一般の方には知られていないと思うので、当社の街づくりへの考え方や思いのようなものが伝わるよう意識しました。当日放映されたCMを見た方から、“平和不動産らしい”とか“何か良かった”という声もいただき、認知拡大への第一歩が踏み出せた気がしています。

札幌を応援する企業になりたい

北海道マラソンの当日は、企業ブースの運営スタッフとして参加しました。このマラソンのスタート、ゴール地点がまさに開発予定地である大通西4南地区の目の前だったということもあり、ブースでは開発予定のビルの写真を大きく掲載し、開発の内容についてご案内をしました。すでに開発についてご存知の方も多く見受けられ、周辺で働かれている方、住んでいる方には非常に関心がある開発なのだと実感できたことが大きな収穫です。また、オリジナルグッズ配布の効果もあり、想定よりも多くの方にご来場いただき、当社の開発について知っていただくことができたのではないかと思っています。
もう一つ、協賛特典としてマラソンゼッケンへの社名掲載がありました。十数名の社員が実際にランナーとして参加しましたが、社員ランナーの一人が、多くのランナーが「平和不動産」のゼッケンを付けて走っている…極端に言うと皆が応援してくれている感じだったと言っていました。ビルの竣工はまだ先ですが、継続して当社の街づくりへの思いを発信していくことで、皆に愛される開発になって欲しいと思います。

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