IR業務では、当社業績や収益基盤となる事業活動、財務戦略等が主なトピックになることが多いですが、環境や社会、ガバナンス等の非財務情報についても注目度が高まっています。サステナビリティ経営を推進していくため、2021年にサステナビリティ推進室が新設され、私もその一員として統合報告書の作成やHPのアップデート等の開示拡充、目標、社内方針の検討等を行っています。
例えば温室効果ガス（GHG）の排出量削減について。まずは現状のGHG排出量を把握しなければ始まりません。その上で削減目標の設定、社内外の関係者との調整の後、必要に応じてサステナビリティ委員会での協議を経て、各施策を推進していきます。しかし、施策を実行して終わりではありません。取り組みや実績を開示情報として取り纏め、公表することでステークホルダーに対して初めて訴求することができます。現在はESG投資という言葉があるように、非財務の取り組みが投資判断にも関わるようになってきました。そして、長期目線の投資家ほど、将来に渡る持続可能性の評価の一つとして非財務情報を考慮する流れにあります。そのため、サステナビリティの取り組み一つ一つが社会的意義だけでなく、ステークホルダーからの信頼、評価向上につながります。
IR業務とサステナビリティ推進業務は担当が異なる会社も多いですが、一連の業務として取り組むことで、財務・非財務両面のあらゆる角度からステークホルダーに訴求できますし、対外的な評価向上ひいては企業価値の向上に貢献できる重要な業務だと実感しています。GHG排出量削減の例でも、取り組みが進めば、社会価値の向上と共に炭素税導入やお客様の環境配慮志向の高まり等のリスクにも柔軟に対応でき、むしろ新たな事業機会が得られる可能性もあります。こうした取り組みを積み重ねることで、当社グループを取り巻く経営環境が急速に変化していく中でも結果として持続可能な成長に寄与できると考えています。当社のIR、サステナビリティ推進担当として、サステナビリティを含む情勢をいち早くキャッチし会社として対応することで、それを当社の魅力として発信し、平和不動産のさらなるプレゼンス向上に挑戦していきたいと思っています。